漢方薬は基本的には複数の生薬を組み合わせてできています。生薬は天然の薬物素材であるため、日常摂取している食品と類似する場合があり、その中には食物アレルギーを起こす可能性があります。例えば小麦、やまいも、ごまなどはそのものが生薬として甘麦大棗湯、八味地黄丸、消風散などの漢方薬に配合されています。この機会に漢方薬を製品番号や商品名で理解するだけでなく、構成生薬に関する知識を深めていただきたいと思います。

最近OTC薬において漢方薬、生薬を配合した商品が数多く販売されています。しかし、商品名からは漢方薬、生薬配合したとは想像しにくいものも多く、購入者は医薬品という認識は薄く漢方薬、生薬を服用している場合があります。医薬品である以上副作用や併用薬、またアレルギーに注意が必要になります。本講演では購入者に対し適正な医薬品の使用情報を提供するために注意が必要なOTC薬または配合されている生薬について紹介いたします。

1）最近のうつ病診療の動向と問題点（うつ病と診断される範囲の広がり、多剤大量処方、抗うつ薬の効果の過信、Disease mongering、不十分な面接など）
2）なぜ不適切処方が生まれるか
3）デパス（エチゾラム）に代表される治療薬依存の問題
4）うつ病治療における地域連携
5）薬剤師に対するこれまでの失望と今後の期待

精神疾患における薬物療法は主に向精神薬が用いられ、多くは長期的な治療が必要になります。薬剤師は有効で安全な薬物療法のために、患者個々の治療や処方に積極的に介入する必要があります。また他職種と連携を図り、QOLやアドヒアランスを踏まえた治療継続支援への関与が求められています。本講義では、向精神薬の特徴について概説し、服薬指導、処方介入事例（TDM含む）、当院での薬剤師の関わり等につい て紹介いたします。

保険薬局においては、保険請求のコンピュータ導入から始まって、携帯電話への調剤終了のお知らせメールサービス、医薬品のピッキングシステム、調剤監査システム、スマートフォンの普及による電子お薬手帳、タブレット端末による在宅医療での多職種間連携と発展してきました。その現状について紹介すると共に、今後の可能性について解説いたします。

近年のスマートフォン・タブレットの普及に代表されるように、IT（情報技術）の世界は現在も急速に発展・変貌しています。そして、ITの進歩は単なる新技術にとどまらず、社会に大きな影響を与え続けています。今回の講義では、「クラウド」、「ビッグデータ」といった比較的新しいITの話題を取り上げ、薬剤師の世界に与える影響について考えます。