第40回北里大学同窓会主催講演会報告
第40回北里大学同窓会主催講演会が薬学部同窓会(薬友会)の企画により、平成22年10月30日(土)14時から16時30分まで北里大学薬学部1号館1501大講義室で開催されました。当日は、第31回北里大学白金祭も開催しており、在校生との親睦・交流を通じて、同窓会の絆を深める機会を併せて得ることができました。台風14号が関東に最接近する状況であったために、公共交通機関などの乱れから参加者数が100名程度にとどまったことは残念でしたが、スポーツファーマシストに関する最新の情報が提供されたことから熱気に満ちた講演会となりました。
2009年にスポーツファーマシスト認定制度が制定され、本年から最初のスポーツファーマシストが誕生しました。スポーツファーマシストはドーピング防止活動に関する正確な情報を選手や一般の方に提供することが重要な業務とされています。近年、大衆薬やサプリメントを使用する頻度が増えています。大衆薬の中にはドーピングに抵触する成分を含むものもあり、日本では正しい知識を身につけていない選手が無意識の内にこれらの医薬品を服用してドーピング違反となってしまう事例が問題視されています。
北里大学同窓会会長の島田 肇先生の挨拶に始り、「スポーツファーマシスト- 薬剤師職能の新しい展開 -」と題する笠師久美子先生(北海道大学病院薬剤部 副薬剤部長)の実践的な講演に耳を傾けることが出来ました。笠師先生は来春の日本薬学会第131年会のシンポジウム「ドーピング防止活動から学ぶ薬剤師職能」を企画されていることから、次回の講演も大いに期待されます。
全学同窓会 島田肇会長 |
笠師久美子先生 |
橋本聖子先生(参議院議員・元オリンピック選手)は、3歳からスケートを始め、冬季オリンピック・サラエボ大会を皮切りに、冬季大会(スピードスケート)4回、夏季大会(自転車競技)3回、あわせて7回のオリンピックに出場という女子として世界最多記録の持ち主であることはご存知の方も多いことと思います。橋本聖子先生(参議院議員・元オリンピック選手)は、「薬剤師に期待するドーピング防止活動」から熱きエールを頂戴しました。
橋本聖子先生 |
お礼に代表して学生さんが握手 |
最後に、薬学部と念願の国際交流協定が締結した米国のアイオワ大学薬学部教授のJay Currie 先生からは、「薬局におけるファーマシューティカルケアの実践」に向けて示唆に富むお話をお聞きしたことは誠に時機を得た企画と思われます。
笠師先生による逐次通訳によるJay Currie先生のご講演 |
学生さんから英語でCurrie先生に質問。がんばりました。 |
北里大学薬友会の冨野絹雄会長による閉会のことばで成功裡に講演会の幕を閉じることができました。
今回の同窓会主催講演会で得た多くの貴重な情報を今後の薬剤師業務に活用することが卒業生の腕の見せ所と確信しています。