北里大学薬友会

平成27年度北里大学薬学部生涯学習セミナー(中期)のお知らせ
 【中期テーマ】 明日から使える漢方薬の服薬指導のポイント

漢方は、日本の伝統文化であると同時に、現代医療において欠かすことのできない保険適用可能な医療の一つです。特に、西洋薬の効果が十分でない慢性疾患の改善や半健康状態から回復などの効果が期待されています。漢方をうまく活用するためには、その有効性だけでなく危険性についても把握するとともに、伝統的な漢方医学の考え方に基づいた服薬指導が必要となります。そこで、本セミナーでは薬剤師による集中セミナー形式により、漢方の臨床に必要な基礎知識を概説いたします。

第1回:平成27年9月12日(土) 午後2時30分~午後5時45分
テーマ:「アレルギー疾患と精神神経疾患における漢方薬の服薬指導」

講義内容・講師
講義1: 「アレルギー疾患における漢方薬の服薬指導」 (14:30~16:00)
 講師:坂田 幸治 先生(北里大学東洋医学総合研究所 薬剤部)
 

現代医療において漢方薬を処方したことのある医師は、ある調査によると約9割を超えます。そのため、漢方薬に対し患者から薬剤師に求められる内容は多岐にわたります。しかし、西洋薬とは異なり添付文書通りの説明では不十分であるばかりか、処方意図を十分に理解できなければ、間違った服薬指導を行ってしまう可能性もあります。今回は、アレルギー疾患における漢方治療、及びその服薬指導について解説します。さらに理解を深めて、臨床に役立てていきましょう。

講義2: 「精神神経疾患における漢方薬の服薬指導」 (16:15~17:45)
 講師:室生 真千子 先生(北里大学東洋医学総合研究所 薬剤部)
 

近年、抗不安薬や催眠・鎮静薬などの現代薬を服用している患者は少なくありません。そこで今回は、当院で精神神経疾患に使用される漢方薬について、添付文書からでは知り得ない味や香り、また、古い医学書にある服用に関する情報など、漢方医学的な側面を含んだ服用方法や特徴的な使用方法などを紹介します。さらに、抗不安薬などとこれらの漢方薬を併用する際の注意点や服薬指導におけるポイントについて、症例を交えながら解説します。

第2回:平成27年10月17日(土) 午後2時30分~午後5時45分
テーマ:「妊婦、授乳婦、小児と高齢者に対する漢方薬の服薬指導」

講義内容・講師
講義1: 「妊婦、授乳婦、小児に対する漢方薬の服薬指導」 (14:30~16:00)
 講師:須藤 岳大 先生(北里大学東洋医学総合研究所 薬剤部)
 

漢方治療において、妊婦、授乳婦、小児について症例の報告は少なくありません。しかしほとんどの漢方薬の添付文書や説明書ではそれぞれの項目に、「安全性は確立していない」となっています。そこでこの講義では、それぞれの特殊性、どのような漢方薬が用いられるか、注意すべき生薬、服薬指導について、また小児についての処方量、コンプライアンスを向上するための服用方法など、当研究所での実例を交えて解説します。

講義2: 「高齢者に対する漢方薬の服薬指導」 (16:15~17:45)
 講師:高際 麻奈未 先生(北里大学東洋医学総合研究所 薬剤部)
 

わが国では高齢者の割合が年々増加しており、現在の65歳以上の人口は3,186万人を超え、総人口に占める高齢者の割合は25%と過去最高の水準になっています。この割合は今後も増え続けると予測されています。高齢者は複数の疾患を併発している場合が多く、漢方治療が有用とされています。そこで今回は、高齢者によく見られる疾患・症状について、どのような漢方薬が用いられているか、またそれぞれについての服用方法について実例を交えながら解説します。

第3回:平成27年11月7日(土) 午後2時30分~午後5時45分
テーマ:「婦人科疾患と消化器疾患における漢方薬の服薬指導」」

講義内容・講師
講義1: 「婦人科疾患における漢方薬の服薬指導」 (14:30~16:00)
 講師:大里 真奈美 先生(北里大学東洋医学総合研究所 薬剤部)
 

近年、婦人科領域で漢方薬の使用頻度が高くなっています。特に月経異常、月経周辺疾患、不妊症、更年期障害、不定愁訴などで漢方薬の有効性が知られており、中国の古い医書にはこれらの治療方法に関する記載が多く見られます。現代医療では、病名によって薬が選択される傾向にありますが、漢方治療では本来、同じ病名でも個々の体質や症状により薬の種類が変わります。本講義では、婦人科疾患に使用される漢方薬の特徴や適応、服薬指導について解説します。

講義2: 「消化器疾患における漢方薬の服薬指導」 (16:15~17:45)
 講師:緒方 千秋 先生(北里大学東洋医学総合研究所 薬剤部)
 

近年、機能性ディスペプシアの食後のもたれ感、早期飽満感、心窩部痛、心窩部灼熱感など上部消化管症状、さらに過敏性症候群の下部消化管症状に対して多くの漢方薬が用いられています。そこで今回はそれぞれの消化器症状をどのような漢方医学的な病態としてとらえているか、また消化器疾患に用いる代表的な漢方薬を分類し、その構成生薬の特徴や医師の処方目的を理解し、最大限の治療効果を引き出すための服薬指導について解説します。

  1. 主 催: 北里大学薬学部生涯学習センター
  2. 共 催: 北里大学薬友会・(公財)日本薬剤師研修センター
  3. 場 所: 各回 白金キャンパス 新2号館2301講義室
  4. 定 員: 各回とも300名
         (定員になり次第締切りますので、なるべく事前にお申込みください。)
  5. 対 象: 本学および他薬系大学の卒業生
  6. 受講料: 各回とも2,000円
  7. 認定単位: 日本薬剤師研修センター認定研修 2単位
  8. 申込締切: 第1回 平成27年9月7日(月)
          : 第2回 平成27年10月12日(月)
           : 第3回 平成27年11月2日(月)

申込方法

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