平成27年度北里大学薬学部生涯学習セミナー(夏期)のお知らせ
【夏期テーマ】 医薬品開発と研究倫理について考える
医薬品候補物質が「医薬品」として人々の手元に届くまでには長い歳月と労力を要し、開発の最終段階に行われる臨床試験においてその効果と安全性が確かめられます。そして、市販後も、実際の医療の場で使われた際の安全性情報の収集などが継続されます。医薬品の開発は患者さんの協力があって成り立つものであり、医療従事者には研究倫理の理解と実践が求められます。また、今後、薬剤師として自ら研究を立案・実施したり、研究チームをサポートしたりする機会も増えてくるものと考えられます。
このような背景を踏まえ、本セミナーでは、薬剤師として知っておくべき医薬品開発と研究倫理を巡る話題について、種々の立場・視点から解説いただき、基礎的かつ最新の知識を身につけていただきます。日々接する「医薬品」というものを新たな視点で捉える機会を提供したいと思います。
第1回:平成27年8月1日(土) 午後2時30分~午後5時45分
テーマ:「薬剤師と研究倫理」
講義内容・講師 |
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講義1: 薬局薬剤師の研究の実際と倫理的配慮(14:30~16:00) 講師:宮崎 長一郎先生(日本薬剤師会、長崎県薬剤師会、(有)宮﨑薬局) 医薬分業の進展は、薬局薬剤師が薬の専門家として貢献することを求めています。さらに医療人としては、医療を発展させるために現状分析と新たな提言と実行が要求されます。それは薬局における研究の中から生まれるものです。現在は、臨床や疫学研究の場合、倫理的配慮が欠かせず倫理審査を受けることが必要になってきています。そこで、演者がこれまで関与してきた研究と現在の研究倫理における日薬の動向を含めて紹介します。 |
講義2: 「薬剤師って、いったい何の専門家?」(16:15~17:45) 講師:小野 俊介先生(東京大学薬学部) 倫理というと短絡的にヒポクラテスの誓い、ヘルシンキ宣言、GCPなどを思い浮かべ、また、それらしか思い浮かべられない医薬品関係者が多いのは本当に困ったことです。それらは社会に生きる一人一人が考えるべき倫理の一側面でしかありません。今回の講義では、いわゆる政治哲学、経済倫理も視野に入れた医薬品を巡る倫理の考え方を具体的に紹介します。薬剤師である「あなた」は一体何の専門家なのか、そして、何については全くの素人なのかを一緒に冷静に考えてみましょう。 |
第2回:平成27年8月29日(土) 午後2時30分~午後5時45分
テーマ:「医薬品の臨床試験と倫理」
講義内容・講師 |
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講義1: 「研究倫理の基本的な考え方」(14:30~16:00) 講師:田代 志門先生(国立がん研究センター研究支援センター生命倫理室) 前半では、医学研究の倫理に関する基本的な考え方を学びます。現代的な研究倫理の枠組みは主に1970年代にアメリカで形成されたものですが、その背景にはどのような問題があったのでしょうか。この講義では、過去に問題になった国内外の具体的な研究例を示しながら、人を対象とする医学研究の実施において必須となる倫理的配慮について学びます。 |
講義2: :「ランダム化比較試験の倫理」(16:15~17:45) 講師:田代 志門先生(国立がん研究センター研究支援センター生命倫理室) 後半では、医薬品の臨床試験において「ゴールド・スタンダード」とされるランダム化比較試験(RCT)の倫理的問題を取りあげます。ランダム化比較試験にはいくつかの方法論的特徴がありますが、特に倫理面での配慮が必要になるのが「ランダム化」と「プラセボ」という2つの要素です。講義では英語圏の議論状況と国際的なガイドラインの動向を概説したうえで、RCT実施に際して検討すべきポイントを確認していきたいと思います。 |
- 主 催: 北里大学薬学部生涯学習センター
- 共 催: 北里大学薬友会・(公財)日本薬剤師研修センター
- 場 所: 第1回 白金キャンパス 1号館1203講義室
: 第2回 白金キャンパス 1号館1503講義室 - 定 員: 各回とも150名
(当日参加も可能ですが、定員になり次第締切りますので、なるべく事前にお申込みください。) - 対 象: 本学および他薬系大学の卒業生
- 受講料: 各回とも2,000円
- 認定単位: 日本薬剤師研修センター認定研修 2単位
- 申込締切: 第1回 平成27年7月27日(月)
: 第2回 平成27年8月24日(月)
申込方法
お申し込みは終了致しました。