北里大学薬友会

平成27年度北里大学薬学部生涯学習セミナー(前期)のお知らせ
 【前期テーマ】 薬剤師が身につけたい感染症と在宅医療の薬学知識と実践

 薬剤師は、患者さんへの服薬指導や在宅医療など、プライマリ・ケア現場で幅広く活躍することが期待されるだけでなく、感染症に関する知識が求められています。そこで、今回の本セミナーでは、プライマリ・ケアの現場で役立つ薬学知識に焦点を絞り、医師と薬剤師の講師による集中セミナーを開催します。奮ってご参加下さい。

第1回:平成27年5月16日(土) 午後2時30分~午後5時45分
テーマ:「感染症とその治療・管理における薬剤師の役割」

講義内容・講師
講義1: グローバル化する新興感染症:エボラウイルス感染症とデング熱 (14:30~16:00)
 講師: 有馬 雄三 先生 (国立感染症研究所 感染症疫学センター)

 抗生物質(主に抗菌薬)の発見により、かつて感染症の時代は終息したと言われていました。しかし、薬剤耐性を始め、HIV/AIDS、SARSの出現等、近年感染症が再び人類にとって脅威となってきています。昨年2014年には日本ではデング熱が約70年ぶりに探知・確認され、西アフリカでは致命率が高いエボラウイルス感染症が歴史的大流行し、国内でも世界的にも改めて感染症の脅威が示されました。グローバル化が継続して進む今の世の中では、今後もあらゆる新興感染症と向かい合って、迅速な探知・対応、そして長期的な公衆衛生戦略も重要になります。国内のデング熱と西アフリカのエボラウイルス感染症を紹介し、実例を示しながら考察していきます。

講義2: 感染症の正しい知識と薬剤師の役割 (16:15~17:45)
 講師: 小林 昌宏  先生 (北里大学病院薬剤部)

 人類は生活環境を問わず、常に何らかの感染症の脅威に曝されています。新型インフルエンザ、感染性腸炎、デング熱、エボラ出血熱から、MRSA、播種性クリプトコックス症など、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)」で指定されている感染症を中心に、感染症の正しい知識と予防および治療における薬剤師の役割について解説します。

第2回:平成27年6月13日(土) 午後2時30分~午後5時45分
テーマ:「宮古島発の在宅医療への取り組み及び手にして学ぶ医療材料のイロハ」

講義内容・講師
講義1:宮古島の離島における在宅医療への取り組み (14:30~16:00)
 講師: 泰川 恵吾 先生 (医療法人鳥伝白川会 ドクターゴン診療所理事長)

 沖縄県宮古郡島は沖縄本島から南西に位置し、大小8つの島から成ります。総人口は約5万5千人です。人口規模の小さな小離島や農村部の高齢化率は高く、公共交通機関は極めて少ない状況です。宮古本島は広く、高齢化した離島僻地の患者が宮古島中心部に集中した医療機関を利用するのは困難でした。我々は、平成9年に診療所を開設し、通院困難な離島僻地の患者の在宅医療を行ってきました。また、平成16年には、超高齢化地域である神奈川県の鎌倉市にも同じ運営方針を持つ診療所を開設しました。効率の良い診療システムと車両、船舶を活用した我々の活動を紹介します。

講義2:在宅医療で目にする医療機器、医療材料 (16:15~17:45)
 講師: 泰川 恵吾 先生 (医療法人鳥伝白川会 ドクターゴン診療所理事長)

 近年の在宅医療の進歩によって、これまで入院管理を必要とした様々な検査、治療が在宅でも可能となりました。それに伴って、各種の医療材料や装置が在宅で使用されるようになり、今後そのニーズは更に増大すると思われます。処方箋による調剤薬局からの医療材料などの提供が可能となり、在宅現場への必要物品の流通がスムーズとなりましたが、薬剤師が在宅患者に現場で接触する機会も増えました。様々な装置、材料について、実物を提示しながら解説します。

第3回:平成27年7月11日(土) 午後2時30分~午後5時45分
テーマ:「介護保険改定から見えた在宅医療の今後」

講義内容・講師
講義1:介護報酬改定と薬剤師の在宅訪問業務 (14:30~16:00)
 講師: 高橋 眞生  先生 (カネマタ薬局、千葉県在宅ネットワーク理事)

 我が国の医療制度改革は在宅療養の充実を見据えて進められ、介護・福祉を含めて世界に類を見ない超高齢社会の将来に向けて「あるべき姿」を目指しています。昨年の調剤報酬改定で示された「あるべき姿」にあるように、保険薬局は在宅医療に更なる関与が求められていますし、本年の介護報酬改正にも同様のことが求められています。医療制度の改革がどのような方向性を持つのか、医療行政の理念を据え、保険薬局の薬剤師が正しく理解して在宅訪問の業務に当たっていただくために解説いたします。

講義2:薬剤師の在宅医療を実践する時のQ&A (16:15~17:45)
 講師: 長富 範子 先生 (株式会社ファーコス 事業開発部 介護支援課)

 2025年問題を焦点として、「治す医療」とその人らしく尊厳をもって生きられるよう「支える医療・介護」の双方の実現を期した制度改革の方針が打ち出され、地域医療の復権と在宅医療の推進が挙げられています。その在宅医療の実践に向けて、薬剤師は在宅医療の第一歩を何から始められるか、どのように継続・発展させるかなど、様々な疑問や課題が生じてきます。本セミナーでは、これから在宅医療に取り組む、または一層のスキルアップを目指そうとする薬剤師の先生方の為に、具体的な事例を挙げて解説したいと思います。

  1. 主 催: 北里大学薬学部生涯学習センター
  2. 共 催: 北里大学薬友会・(公財)日本薬剤師研修センター
  3. 時 間: 午後2時30分~午後5時45分
  4. 場 所: 第1、2回 白金キャンパス 1号館1501大講義室
          第3回  白金キャンパス 2号館2601講義室
  5. 定 員: 300名
          (当日参加も可能ですが、定員になり次第締切りますので、なるべく事前にお申込みください。)
  6. 対 象: 本学および他薬系大学の卒業生
  7. 受講料: 各回 2,000円
  8. 認定単位:各回とも日本薬剤師研修センター認定研修 2単位
  9. 申込締切:第1回 平成27年5月11日(月)
           :第2回 平成27年6月8日(月)
           :第3回 平成27年7月6日(月)

申込方法

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